2025年10月|賞状筆耕プロコースバックナンバー

2025年10月|賞状筆耕プロコースバックナンバー

2025年10月

10/4【賞状筆耕プロコース】安定した線を書くために大切なこと

 

毛筆で文字を書くとき、字形を整えることはもちろん大切ですが、同じくらい大切なのが「線質」です。

 

とくに賞状筆耕のような実用書道では、線の質によって仕上がりの印象が大きく変わります。

 

今回、その線質をきれいにするためのコツを動画にまとめました。ぜひご覧ください。
https://youtu.be/DwdTnna8UtY

 

動画でもお話ししていますが、線質を向上させるポイントはとてもシンプルです。

 

「筆を立てること」そして「力を抜くこと」。

 

言葉にすると簡単ですが、実際に身につけるには時間がかかります。

 

練習中に時々「力を抜こう」と意識してみてください。しばらくするとまた力が入ってしまうかもしれませんが、そのたびに意識し直すことで少しずつ習得できます。

 

やがて自然に筆を軽く運べるようになると、線質が改善するだけでなく、長時間書いても手や腕が疲れにくくなります。

 

これは書道全般においても、とても大切なポイントです。

 

地道な練習の積み重ねが、線の美しさにつながります。ぜひ今日から意識してみてください。

 

 

10/11【賞状筆耕プロコース】限界は自分が決めている

 

先日、受講生ではない方から筆耕についてのご相談をいただきました。

 

その方は「がくぶん」の通信講座で学ばれていて、短期のアルバイトで神社やお寺の筆耕をされているとのこと。本格的に筆耕を仕事にしたいと大手の筆耕会社へ応募したものの、残念ながら断られてしまったそうです。そして僕に「私には無理でしょうか」と尋ねられました。

 

まず、受講生以外からのご質問は問題ありません。先人に学ぶ姿勢はとても大切なことだと思います。ただ、僕としては「がくぶん」さんで学ばれている場合、あまり踏み込んだアドバイスをするのは失礼にあたるのではと感じています。そうお伝えすると、「がくぶんには聞きにくい」とのことでした。少し複雑な思いもありましたが、せっかくのご縁ですから、感じたことを共有します。

 

応募先の会社について調べてみると、独特の書風があるように思いました。その場合、会社としてはその書風に近い人材を求めるはずです。もしご縁がなかったとしても、それは「合わなかった」というだけのこと。他の会社や印刷会社を探す道もありますし、自分の書き振りをその書風に近づける努力も選択肢になるでしょう。

 

そして最後の「私には無理でしょうか」という問い。これは僕が判断できることではありません。ですが、一般論として言えば、無理かどうかを決めるのは自分自身です。

 

多くの場合、人の限界は自分が決めてしまっているものです。無理だと思えばそこで終わり。けれど「もっとできる」と信じて取り組めば、可能性は必ず広がります。もし技術が足りないと感じるなら、練習して高めていけばよいのです。とてもシンプルなことです。

 

まして、筆耕は技術に対して対価をいただく仕事です。受験生が志望校合格に向けて勉強するように、努力は前提であり、やるべきことを淡々と続けることが大切です。

 

人生には自分の力ではどうにもならない要素もありますが、それでも「自分の行動で変えられる部分」は大きいものです。

 

自分の未来のために、できることをひとつずつやっていきましょう。限界を決めるのは、自分自身なのです。

 

 

10/18【賞状筆耕プロコース】「賞状筆耕」という特別な技術について

 

先日、さまざまな分野で活躍されている書道家の先生方とお話をする機会がありました。

 

教室を長年運営されている方、書道パフォーマンスで観客を魅了している方、有名ゲームのタイトル文字を数多く手掛けている方、そして海外で書道交流会に参加されている方など…。

 

本当に幅広い分野で実績を積まれている方々ばかりで、その体験談を聞かせていただくだけでも大変勉強になりました。

 

ところが、そんな中で逆に僕自身に多くの質問をいただいたのが「賞状筆耕」についてでした。

 

例えば、
・賞状は左の行から書き始めること。
・レイアウトをミリ単で調整していること。
・完成した賞状の納品方法。
・・・
・・・

 

といった、実際の現場での仕事ならではの疑問が中心です。

 

どんなに書道の達人であっても、賞状筆耕の現場に入ると勝手が違い、戸惑うことが多いようです。

 

改めて「賞状を書く」というのは、単なる文字の美しさだけではなく、独自のノウハウと経験が必要な特殊な世界だと実感しました。

 

賞状筆耕は地味に見えるかもしれませんが、式典や卒業式、表彰の場において欠かせない存在です。

 

だからこそ、この技術を継承し、次の世代に伝えていくことはとても大切なことだと感じています。

 

僕自身も、これからも日々学びながら、この貴重な技術をさらに磨いていきたいと思います。

 

 

10/25【賞状筆耕プロコース】墨と墨汁、どちらを選ぶ?筆耕に適した道具のお話

 

今回は「賞状筆耕で使う墨と墨汁」についてお話しします。

 

テキスト13ページにも書いていますが、固形墨なら油煙墨、墨汁なら専用墨汁をおすすめします。

 

結論から言えば、どちらを使っても問題はありません。

 

ただ、固形墨は磨る時間が必要で、墨色が安定しにくいのが難点です。書道としては趣がありますが、実用性を重視する賞状筆耕では、やはり墨汁の方が便利だと思います。

 

 

・専用墨汁を選ぶ理由

 

墨汁なら「必ず専用墨汁」を選んでください。

 

以前は「おすすめ」とお伝えしていましたが、添削を重ねるうちに、一般墨汁との差が歴然だと実感するようになりました。

 

特に賞状の本用紙に書いたときにその違いは顕著です。

 

発色、伸び、書き味――どれを取っても専用墨汁の方が圧倒的に優れています。

 

一度、一般墨汁と書き比べていただければ、その差はすぐに分かるはずです。

 

特に依頼品では必ず専用墨汁を使いましょう。※できれば普段から専用墨汁を使ってね。

 

 

・僕の愛用品「墨運堂 三歌仙」

 

長年愛用しているのは「墨運堂 三歌仙(賞状・目録用)」です。

 

開明の専用墨汁も悪くありませんが、僕の経験上、三歌仙を超えるものはありません。

 

ボトルは小さく、量に対しての価格は一般墨汁の数倍します。

 

しかし、賞状一枚に使う墨汁はごくわずか。実際には長持ちしますし、コストパフォーマンスが悪いとは思いません。

 

書道用品店のほか、Amazonや楽天でも購入可能です。チェックしてみてください。購入される際は「賞状・目録用」を必ず選んでね。