漢字はもちろんのこと、ひらがなやカタカナにも「筆順(書き順)」があるのはご存知かと思います。
皆さんは、自信を持って「筆順には詳しい」と言えるでしょうか?
筆耕のお仕事で実際に収入を得るようになれば、それはもう立派な書道家です。
書道家として活動していく上では、「筆順がよくわからない…」では少し心もとないですよね。少なくとも、一般の方よりは筆順に詳しくなっていただきたいと思っています。
筆順は見た目の美しさに大きく影響します。正しい順序で筆を運ばないと、バランスの取れた、品のある字形にはなりにくいものです。
一般的に、漢字の筆順は「左上から右下」へ進むようにできています。これは右手で筆を持つことを前提にしており、右上がりや右下重心の字形が自然に美しく見えるように設計されているのです。
さて、ここでちょっとした確認です。
左・心・水・気・出・書・文・台・氷・学
これらは、AIに調べてもらった「筆順を間違えやすい漢字ランキング」上位の文字たちです。
この10文字の筆順、すべて自信を持って説明できますか?
実は、個人的には「右・入・有・布・登・区」あたりも入るかと思っていたので、少し意外な結果でした。
筆順に不安を感じた時は、すぐに確認するクセをつけると良いでしょう。
今はスマートフォンの筆順アプリやオンライン辞典も充実しています。
紙の筆順辞典も知識の幅が広がるので、書道を深めたい方にはおすすめです。
なお、筆順には複数の書き方が存在する文字もあります。たとえば、僕が書く「感」という字もその一例です。
ですから、他の人の筆順を見て「それは間違いだ」とすぐに指摘するのは、少し注意が必要です。
もしかすると、それは認められている別の正しい書き方かもしれません。
他人の筆順を正す必要はありませんが、自分自身は、筆順にきちんと向き合って学んでいきましょう。
今後の学びの中で「筆順、あれ?」と感じたときは、ぜひその都度確認して、少しずつ確かな知識に変えていってくださいね。
賞状提出用紙には「氏名欄」があり、細字課題では「住所・氏名」を書く欄もありますよね。
この氏名欄ですが、できれば毛筆でしっかり書くことをおすすめします。
その理由はとてもシンプル。練習になるからです。
自分の名前や住所を綺麗に書けると嬉しいものですし、提出ごとに毎回書くことで、自然と上達にもつながります。例えば6回提出すれば、最低6回は書くことになりますから、それだけでも良い練習になりますよね。
そして、実はこの氏名欄……僕はしっかりと見させてもらっています。
気になる点があればポイントを書くこともありますが、何も書いていないときも「しっかり見ているんだな」と思っておいてくださいね。
とはいえ、構えなくて大丈夫です!
課題の採点対象ではありませんし、間違えていても、上手く書けていなくても問題ありません。気軽な気持ちで書いてください。
僕が見ているポイントは、毛筆の技術的なことだけではありません。
たとえば、どんな配置で書いているか?その配置にするためにどんな工夫をしているのか?そんな視点でも見させていただいています。
初めのうちは、小さな文字を毛筆で書くのは難しく感じると思います。むしろ、何の苦もなくスラスラ書ける方は天才かもしれません。だからこそ、そこに工夫が生まれるんですよね。
そして、その「工夫」こそがセンスなんです。
センスというと、生まれつきの才能のように思われがちですが、僕はそうは思っていません。センスは知識・技術・注意力の積み重ねで育っていくものです。
ぜひ、「どうすればもっと上手く書けるか?」を意識して、課題だけでなく氏名欄にも取り組んでみてください。
このくらいのサイズで住所・氏名が書けるようになると、宛名書きのお仕事にも対応できる力もつきますよ♪
筆選び・・・迷っていませんか?
筆選びの相談はよくいただくのですが、「この筆が正解!」なんて簡単には言えません。実は僕も、いまだに迷います。
とはいえ、まずは「いろいろ使ってみる」ことが一番の近道です。賞状を書くには小筆であればOK。ただし筆にも個性があるので、相性も大事です。
◎試しやすくておすすめなのは…
・選豪圓健(せんごうえんけん)
・双料写巻(そうりょうしゃかん)
◎最近の僕のお気に入りは…
・下筆春蚕食葉声(かひつしゅんさんしょくようせい)
最近のインスタ動画で使っている赤い筆
◎これまで愛用していたのは…
・写楽3号(しゃらくさんごう)
ただし現在は入手困難。手に入ったらラッキーです。
ちなみに、仮名用の小筆でも賞状は十分書けます。あまり銘柄にこだわりすぎず、「自分に合うかどうか」を大事にしてみてください。
お店で選ぶときは、穂先をよく観察してみてくださいね。ただし、筆は糊で固められているので実際のところは「運」もありますが…。
安価な筆でも、書きやすいものはたくさんあります。
値段に惑わされず、いろいろ試して「これは!」という一本に出会ってください。
いい筆があったら僕にも教えて(^^)/
こんにちは、清水克信です。
先日、とある書道家さんとお話をしていたら、筆耕の話題になりました。その方も以前、筆耕会社で働いていたことがあるそうなんです。
でも、全文賞状はなかなか書かせてもらえなかったとか。
当時は、師匠のような先輩筆耕士さんから「とにかく書け!」と厳しく言われ続けていたそうです。
その言葉がずっと頭に残っているようで、今では書道教室の運営がメイン。筆耕の仕事はあまりしていないとのことでした。
賞状筆耕にはちょっと苦い思い出があるようで、苦笑いされていました。
◆「書道家=筆耕が得意」とは限らない
賞状筆耕って、実はちょっと特殊な技術なんです。
書道が上手=筆耕ができる、とは限りません。
逆に、書道経験がなくても賞状筆耕の現場で活躍している方もたくさんいます。
かく言う僕も、本格的に書道を学び始めたのは「筆耕コム」を立ち上げた年の4年前です。
その前なんて…王羲之(おうぎし)さえ知らない、まっさらなど素人でした(^^)
◆「とにかく書け!」は正しい。でも…
さて、そんな先輩の言葉「とにかく書け!」ですが、僕が後輩にアドバイスするならやっぱりこれは正しい。でも、ちょっと補足したい。
ただやみくもに数をこなすのではなく、「考えながら書く」ことが大切です。
たとえば野球のバッティング練習。
ひたすら素振りするよりも、1球ごとにフォームやスイングを確認した方が上達が早いですよね。いわば「一球入魂」です。
筆耕も同じで、「うまく書けない」と感じたときには、
・偏と旁のバランスはどうか
・筆の入り方や抜き方はどうか
・お手本と何が違うのか
など、ひとつひとつ観察してみることが大切です。
100回雑に書くよりも、10回丁寧に振り返りながら書いた方が、結果的に早く上達すると思います。
◆「言語化」で上達スピードが変わる
そこで、もうひとつ大切にしてほしいのが「言語化」です。
書道の世界では、「ここをスーッと」とか「シュッと抜いて」なんて言われることも多いですが、これって人によって解釈がバラバラなんですよね。
それよりも、
・偏と旁の比率は1:1
・この線の太さを一定に保つ
・隙間を均等にして、抜きは放射状に
など、具体的に言葉で表すことで、誰にでも伝わりやすくなります。
僕も通信講座の添削では、できるだけポイントを言語化してお伝えしていますが、学ぶ側も「自分のどこがうまくいってないか」を言語化できると、修正がしやすくなります。
「ここ2mm短かった」「この線が細すぎた」「余白が偏っていた」など、冷静に自分の字を観察して言葉にしてみるだけで、驚くほど変わってきます。
◆言語化は書道だけじゃない
そして、これは書道に限らず、どんな技術でも同じです。
自分の感覚をうまく言葉にできる人は、人に教えるのも上手。
そして、人付き合いも上手だったりします。
ぜひ、「とにかく書く」と同時に「言語化する」という意識も、持ってみてください。
最短で、確実に上達するための近道になるはずです。
それではまた!