2025年8月|賞状筆耕プロコースバックナンバー

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2025年8月

8/2【賞状筆耕プロコース】「書く力」と同じくらい大切な「見る力」の話

 

賞状筆耕には大きく分けて二つの技術があります。
それが「レイアウト」と「筆力(ひつりょく)」です。

 

・レイアウトは理論と慣れ

 

「レイアウト」は賞状筆耕の理論を知り、定規で線を引く作業に慣れれば、比較的短期間で習得できます。決まったルールに沿って練習すれば、誰でも形にすることができます。

 

・筆力は“見る力”がカギ

 

一方で「筆力」はすぐには身につきません。筆の扱い方や字形の整え方など、練習の積み重ねが必要です。そして、ここで上達のスピードを大きく左右するのが「見る力」です。

 

将来的に依頼された賞状を書く時、当然お手本などありません。その時に「理想の文字の形」が自分の頭にイメージできなければいけません。

そのために今、僕たちは練習をしています。

 

・字形の法則を理解する

 

練習では「筆の扱い方」と「字形の整え方」を意識しますが、特に字形については一定の法則があります。テキストに書かれていることで大体網羅しています。

その法則を理解し、お手本を見るときも「なぜこの形なのか?」と考えることが大切です。

 

細字練習用紙に引かれている枠や罫線も、ただのガイドラインではありません。
文字の配置や、点画と罫線との関係を意識して練習すると、「どう書けば整って見えるか」がわかってきます。

 

・見る力を鍛えることが、書く力を鍛える

 

この“文字を分析する力”こそが「見る力」です。

「見る力」が身につけば、それに伴って「書く力」も必ず伸びます。むしろ、見る力がなければ書く力も伸びない、と言っていいでしょう。

 

僕が提供しているお手本もそうですが、世の中には参考になる筆文字がたくさんあります。

日常生活の中で、ちょっとアンテナを張って「なぜこの形なのか?」と観察することが、上達の近道です。

 

「書く力」と「見る力」はセット。
一緒に“見る力”を意識しながら練習していきましょう。

 

 

8/9【賞状筆耕プロコース】初心者におすすめの古典

 

こんにちは、清水です。
今日は「書写検定」と、そこから広がる古典臨書(りんしょ)の話です。

 

 

・書写検定って何?

 

書写技能検定、略して「書写検定」は、硬筆と毛筆の試験があり、各6級から1級まで。数ある書道の資格の中で、唯一の公的資格です。

 

試験は年3回、誰でもどの級からでも受験可能。イメージとしては「漢字検定の書道版」です。

 

* 6級 … 小学校低学年レベル
* 1級 … 書道家レベル

 

理想は1級ですが、2級でも十分な実力証明になります。
まずは2級以上を目指してみましょう。

 

 

・2級以上に必要なこと

 

2級以上では、以下5つの書体の読み書きが必要です。

 

* 楷書
* 行書
* 草書
* 隷書
* かな

 

これらを効率よく学ぶ方法が「臨書(古典の手本を真似て書く)」です。

 

 

・ 初心者におすすめの古典

 

まず1作品に絞るなら、このラインナップ。

 

* 楷書:九成宮醴泉銘(欧陽詢)
* 行書:蘭亭序(王羲之)
* 草書:書譜(孫過庭)
* 隷書:曹全碑
* かな:高野切第3種

 

本を揃えるのが大変なら、天来書院の『これだけはまなびたい書の古典(1〜3)』がおすすめ。※かなは未掲載。さまざまな古典が「浅く広く」載っていて、最初の入口にはぴったりです。

 

 

・臨書のコツ

 

やり方はシンプル。「とりあえず書く」これだけです。
最初は「これ何て字?」の連続ですが、気にせず書いてみてください。
特に「かな」は意味不明でもOK。見よう見まねで大丈夫、そのうちわかってきます。

 

 

・筆耕にも効く古典の力

 

古典の臨書は、筆耕に直接関係ないように見えて、実は大きな効果があります。

 

* 隷書を練習 → 楷書のバランスが向上
* かなを練習 → ひらがなが美しくなる

 

他にも、文字全体の品格が上がるなど、良い影響は数え切れません。

 

 

・焦らず、楽しみながら

 

書写検定1級は簡単ではありません。
僕も猛特訓して3年かかりました。
なので、焦らず、ライフワークとして取り組むのが一番です。

 

古典の臨書は必須条件ではありませんが、確実にあなたの文字を磨き、筆耕の質を高めてくれます。

 

時間と余力があれば、ぜひ挑戦してみてください。

 

 

8/16【賞状筆耕プロコース】筆耕士の怪談話

 

夏なので、筆耕士らしい怪談話をしましょう。

 

 

「賞状を書いていて、失敗しないんですか?」

 

筆耕や書道にあまり馴染みのない方から、よくこう聞かれます。

 

答えは簡単です――失敗します。

 

人間ですから、疲れている時は特に危ないんです。

 

例えば、賞状の名入れが100枚あったとします。普段なら1枚失敗するかどうかですが、疲れていると4〜5枚ミスすることもあります。しかも連続で。

 

そんな時は、潔く作業をやめてゲームをしたり、ちょっと休憩してリフレッシュしてから再開します。

 

 

全文の賞状は下書きをするので、誤字脱字の失敗はほとんどありません。それでも、不注意で墨が跳ねてしまったり、床に落として角が潰れたりすることはあります。

 

書き終えた賞状を棚に運ぶ途中に「ツルッ」と滑らせて落とした時のショックは、今でも忘れられません。

 

 

賞状以外だと、よく間違えるのが「式辞」です。

 

先日も大きなミスをしてしまいました。

 

誤字や脱字なら一部分を書き直して貼り直せますが、その時は1行まるまる抜けてしまい、後の文章が全部ずれてしまったのです。
※式辞は一折り毎に切り貼りが可能。誤字脱字しても行数が変わらなければ修正できます。

 

しかも文章の前半…。

 

結局4時間分の作業が無駄になり、全部書き直し。間違えた式辞はすぐにシュレッダー行きです。思い出したくないので。

 

でも、納品前に気づいたのが救いでした。もしそのまま渡していたら、筆耕コムの信頼に関わります。

 

人間なので、失敗することはあります。大切なのは、そのままにせず必ず確認して直すこと。検品は何度でもやります。

 

以上、筆耕士の怪談話でした。

 

また、背筋がゾッとするような失敗談があったらお話ししますね。

 

 

8/23【賞状筆耕プロコース】「ハネは跳ねない」とは?

 

賞状筆耕プロコースの番外編として左右のハネの解説動画を公開しました。ハネが思うように書けていない方は是非ご覧下さい。

 

https://youtu.be/rpwzzl-t1CE

 

・「ハネは跳ねない」という話

 

みなさん、ハネは思うように書けていますか?

「ハネ」と聞くと、どうしてもその名の通り「ぴょんっ」と跳ねてしまいそうですが、実は跳ねてはいけません。

 

正しくは「抜く」だけ・「運ぶ」だけです。

実際に添削を受けたことのある方なら、指摘されたことがある方もいるでしょう。

 

・なぜ跳ねてはいけないのか?

 

理由はシンプル。「ぴょんっ」と跳ねてしまうとコントロールが効かなくなるからです。

 

文字を書く上で理想は、自分の運筆のすべてをコントロール下に置くこと。だからこそ、ハネは跳ねずに「抜く」だけでいいのです。

 

・コントロールを身につけるコツ

 

そのために大切なのは、筆を ゆっくり・じっくり 運ぶこと。

そして一番のポイントは 力まないこと です。リラックスして、軽く、筆を動かしましょう。

実はこの「力を抜いて書く」という感覚こそが、細字技術の大半を占めています。

 

もし一切力まずに書けるようになれば、もう技術の7割は習得できたと言ってもいいくらいです。

あとは字形を整えるだけ。

 

・まとめ

 

・ハネは「跳ねない」、ただ「抜くだけ」
・筆の動きは自分のコントロール下に置く
・ゆっくり・じっくり、力まずに運筆する
・力を抜ければ、細字の上達は一気に進む

 

「とにかく軽く書く」──この意識を常に持ちながら、筆のコントロールを身につけていきましょう。

 

 

8/30【賞状筆耕プロコース】右払いはシンプルに考えよう

 

右払いを書くのが苦手だと感じていませんか?

 

書道には「止め」「跳ね」「転折」など、いろいろな基本の線があります。その中で右払いに苦手意識を持つ人は少なくありません。でも実は、右払いは基本の中でも難しい技術ではないのです。

 

苦手に思う人は、少し難しく考えすぎているのかもしれません。

 

毛筆は、ペン字にはない「穂先の上下の動き」がとても大切です。筆の太さの変化をつくり、文字の表情を豊かにするために欠かせない動きです。この上下動さえ意識できれば、右払いはぐっと簡単になります。

 

右払いだからといって、右に折ったり、筆を寝かせたりする必要はありません。起筆から右下に進んで、最後は右上に抜くだけ。そのときに穂先を上下させるだけで、自然と美しい右払いになります。

 

できるだけシンプルに考えてください。

 

以前、右払いの解説動画を公開しましたので、苦手な方はぜひご覧ください。他にも基本点画を一つずつ解説した動画があります。必要に応じて見ていただければ、上達が早くなるはずです。

 

https://youtu.be/77dcXZ2lzzU

 

本当は直接指導できるのが一番早いのですが、通信講座では限界もあります。その代わりに動画を通して学んでいただけるよう、これからも公開していきますので、ぜひ活用してください。