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筆力を上げる方法
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賞状筆耕は2つの要素が必要です。それが「レイアウトの技術」と「毛筆の筆力」です。
レイアウトに苦労している方もいるかもしれませんが、レイアウトは知識と慣れなので、覚えてしまえばそれほど難しいものではありません。うまくいかないときは、とにかく真似してみましょう。
問題は筆力です。筆力も知識と慣れなのですが、技術を向上させるためにはどうしても練習が必要です。そして一定のレベルに達するためには、ある程度の時間もかかります。
そんな時間がかかる筆力ですが、出来るだけ効率よく最速で上達したいですよね。そして、最速で上達させるためには「筆力とは何?」を理解するといいでしょう。
まず、毛筆の筆力を上げるためにも2つの要素が必要になります。
1、字形を整える技術
2、毛筆を扱う技術
「1、字形を整える技術」は「美文字」を書くことだと思っていいです。これは毛筆だけでなく、ペン字にも共通しているので、学びやすいですし練習しやすいです。
美文字は才能と思っている方もいますが、実際は才能2割、知識8割くらいです。テキストにも字形の整え方が載っていますが、整え方の知識を理解して覚えてしまえば才能を超えることは容易いでしょう。
そして、知識が付けば、それはセンスに昇華します。綺麗な字を書くセンスは知識の土台の上に成り立っているのです。
むしろ才能があってもセンスがあるとは限りません。才能にあぐらをかくと、センスは磨かれないのです。謙虚って大切ですよ〜。
次に「2、毛筆を扱う技術」です。これはテニスプレイヤーがラケットを使ったり、ゴルファーがクラブを振るのと同じです。書道家が字を書くための道具が毛筆となります。
これはとにかくたくさん書くことが重要です。例えばお箸、幼少期からいろいろなものを挟んで口に運んだと思います。それは習慣となっているので、大人であれば難しいとは思わないでしょう。筆も同じです。
たくさんの点画、たくさんの文字を書けば、それが習慣化して上手に扱えるようになってきます。
ただ、ここで気をつけなくてはいけないのが闇雲に練習するのではなく、「脱力」を意識することです。筆はとにかく軽く持ちます。リラックスして指に力は込めず軽く書く。太い線は下に押すだけ、ハネは抜くだけ、これらはお箸の扱いと同じです。力は一切必要ないのです。
脱力して自在に筆を扱えることを究極目標として、筆を持ち続けましょう。
ということで、今回は「筆力を上げる方法」をご紹介してきました。4月からはまた定期的に動画を作れそうなので、筆力についても参考になる動画を公開していきます。
1〜2月は卒業証書の繁忙期で3月初旬には全校終了してたのですが、先日3月18日に「名簿の証書番号が間違っていました」との連絡があり、1クラス分書き直しています。式は3月22日・・・、おいおい!
追加料金もらうからいいけどさ
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初めての臨書に最適な古典
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賞状筆耕は実用書道です。実用書道は書道の一つです。
古典を学ぶことは筆耕に直接関係があるわけではありませんが好影響を与えてくれます。自分の教養を高めるため、自分の筆力を洗練させるためにも有効です。
これから書道を深く学びたい方、書写検定に挑戦したいとお考えの方向けに、書体別におすすめの古典作品を挙げてみす。
楷書・・・九成宮醴泉銘
行書・・・集王聖教序
草書・・・書譜
隷書・・・曹全碑
かな・・・高野切第三種
もちろん、おすすめの古典はこれだけではないのですが、これらは各書体の基本中の基本と言われる古典となります。実際に見てみると、クセがなく、現代の書道の基盤になっているのがよくわかります。
実際、これらの古典を学ぶとどうなるのか?当然筆力が上がります。
「楷書」を学べば楷書が上手くなるのはもちろんですが、「隷書」を学ぶことでも楷書が上手くなります。不思議に感じますが、僕の実体験です。
「行書」を学べば普段書く文字を格好よく書く事ができます。「草書」は古文書がある程度読めるようになるので、ちょっと凄い人になれます。
「かな」は現代のひらがなとは異なるように見えますが、実際にひらがなが劇的に上手くなります。そして、小筆の扱いが洗練されます。
古典の場合、旧字体があったり、連綿があったり、読むだけでも大変かもしれません。最初のうちはあまり気にせずに、ひたすら形を真似して書いてみてください。※形臨と言います。
そのうち慣れてくれば読めるようになります。また、古典の臨書をすることで「お手本を見る力」も養うことができます。これは、賞状筆耕を学ぶ際にも大いに役立ちます。
全ては書道の一種なので、それぞれを学べばそれぞれに好影響を与えます。もし余裕があったら、古典の臨書にも挑戦してみてはいかがでしょうか。