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賞状の敬称について
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先日、敬称についてのご質問があったのでシェアします。
賞状にの受者には「殿」や「様」などの敬称が付いていますよね。テキストに掲載されているすべての賞状には敬称がついています。
しかし、敬称がつかない賞状もあります。
例えば、卒業証書や認定証に敬称を付ける事はほぼありません。また、賞状筆耕プロコースの修了時にお贈りしている「修了証」は敬称がありますが、本来であれば付けないことの方が多いです。
その他、表題が「賞」「賞状」「表彰状」でも敬称が付かないことがあります。賞状筆耕プロコース【3】の第五回の創作課題では表題が「賞状」ですが敬称がありません。
これは内容によります。課題の内容は、校内スポーツ大会の賞状で、贈者が校長、受者が生徒となります。
学校や会社などの内部で贈られる賞状で、上の立場から下の立場に贈る賞状では敬称を付けないのです。とは言っても、昔は付けないのが普通でしたが、最近は付けることも増えています。
その辺も含め、賞状を目にする機会があったら意識して見てみましょう。
我々筆耕士は依頼された原稿を書くだけですが、その辺の事情も知っておいた方が顧客が原稿を作る際の相談にも乗れます。そうすることで顧客の信頼を得ることができるでしょう。
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レイアウトが苦手?
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賞状筆耕は「筆力(文字を書く技術)」と「レイアウトの技術」が両輪として必要になります。どちらかができないと、美しい賞状に仕上げることができません。
だから、商品としてお金の取れる賞状を作成するためには、筆力とレイアウトが一般の人よりも得意でなくてはいけないのです。しかし、時々「レイアウトが苦手」という話を聞きます。
いま、これを読んで「ドキッ」としませんでしたか?
でも大丈夫。苦手ならこれから得意になればいいので、心配することはありません。ではその解決策を考えてみます。
まず、思い込みをなくすことから始めてみましょう。
レイアウトが苦手な人は「レイアウトは難しい」と思い込んでいる事が多いです。確かにレイアウトは簡単ではありません。正解が1つでは無いので、許容が広い分、難しいと言えるかもしれません。
でも逆に考えると、基本ルールさえ押さえておけば「間違いでは無い」とも言えるのです。
基本ルールとは
・文字の大きさ「表題>受者>贈者>主文>日付」
・文字スペースの寸法「A3は334mm×180mm」
・書き出し位置と書き終わり位置
このくらいです。
これらさえ当てはまっていれば、最低限賞状の形になります。【2】【3】でお配りしているレイアウト表さえあれば、数値を考える必要もありません。複雑な賞状はレイアウト表の数値をアレンジするだけなのでパズルと同じなのです。
そして、レイアウトの計算ともう一つ「スケールの扱い」が苦手な人もいます。スケールの扱いに関しては技術です。毛筆で文字を練習するのと同じ。たくさん引けば、それだけ上達します。
皆さんが使用する400mm×80mmスケールはとても使い勝手がいいです。でもその性能をフルに発揮するには、効率的な使い方を知る必要があります。
例えば「スケールは縦に置き、左手で押さえ、上から下に線を引く」が大基本なので、スケールではなく賞状を回転させて線を引くことになります。
これらの基本的な使い方は過去の動画をご覧ください。マスターすると、正確かつ素早くレイアウト線が引けるようになりますよ。
以上、レイアウトには計算とスケールの扱いがありますが、それぞれは順を追って学べば決して難しいことではありません。
まずは、レイアウトは難しいという先入観を取り払うように意識してみて下さい。苦手意識は薄れていくことでしょう。
そして、できるだけ筆力向上に重点を置けるようにしていきましょう。やっぱり「筆力」が高いのは魅力なのだ!
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基本点画の最速習得
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賞状筆耕プロコースの番外編として動画を作成しました。
【基本点画】実用書道で使う3種類の横画の書き方
https://youtu.be/qj_AaxcyNQ0
しばらくは基本点画でシリーズ動画を作る予定です。これらの動画は基本的に賞状筆耕プロコースの受講生を想定して作っているので、参考になるかと思います。
賞状筆耕プロコース番外編(再生リスト)
https://youtube.com/playlist?list=PLmUcGosDVD92DF6MnSbNnDEKngCXVd6eP&si=0x0jjXmYfDxAq0C8
今回の動画内ではテキスト68ページをもとにして、3種類の横画の書き方を解説しています。実際に練習している方はわかると思いますが、簡単ではありません。すぐにできるものではないでしょう。
でも、これらを知っているのといないのでは、上達速度が明らかに変わります。文字の上達は練習なのですが、同時に知識もないと練習効率は上がりません。
横画だけでなく、縦画・点・払い・はね・・・、基本点画と言っても色々ありますよね。まずはこれらの特徴やバリエーションを知る事、覚える事を優先してください。
テキストを読むだけでも効果がありますし、動画も増やしていくので有効に活用してください。
そして、知識をつけて書く練習を重ねることが上達への最速ルートとなります。
知識があるとお手本を見る目が変わります。また、外部の賞状作品を見た時にも特徴が理解できるようになります。特徴がわかれば、自分に取り入れることもできます。
さらなる上達への要素が増えるので、上達速度は加速度的に伸びていきますよ♪
知識は力なのだ!
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上達に必要な練習量
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賞状筆耕プロコースを受講されている皆さんにはそれぞれの目的があるかと思います。目的によって練習量が異なるかもしれませんが、上達するためにはどのくらい練習すればいいのか?僕の考えをご紹介します。
僕の考えは「1度の長時間より、毎日の短時間」です。出来るだけ、練習と練習の間隔を狭くした方がいいと思っています。
なかなか時間を取るのも難しいかもしれません。休日しかまとまった時間が取れないかもしれません。それは仕方のない事です。
でも、できれば毎日書いた方がいいです。時間は短時間で構いません。たったの5分でもOKです。また、道具も妥協して構いません。
毛筆>筆ペン>万年筆>ボールペン
極論を言うと、ボールペンで1文字だけの練習でも構わないのです。できるだけ、1日に1回は書道や美文字を思い出すよう心がけてみてください。
学びが習慣の一部になれば、おのずと上達していくでしょう。
ちなみに僕が筆耕コムを開業した頃の練習量、書写検定1級を取得した頃の練習量、またそれぞれの練習内容が気になる方は添削課題にメモしておいて下さい。お教えします。
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ペン字練習のススメ
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毛筆で文字を書くということは、「字形を整えること」と「毛筆を扱うこと」の2つの技術が必要になります。両方同時に上達できればそれが理想ですが、簡単なことではありません。
そこで、ペン字の練習もお勧めします。
ペン字の練習はボールペンでも鉛筆でも構いません。ペン字であれば毛筆よりは扱いが簡単なので、より「字形を整えること」に注力できるという訳です。
ペン字の本を別途購入してもいいですし、テキスト「賞状の書き方」の毛筆の文字を練習してもいいでしょう。字形はどうすれば整うのか?を考えながら練習してみてください。
注意点ですが、ペン字も力を抜いて書くことを意識しましょう。グラグラというわけにもいきませんが、必要以上の力が入らないように、注意してください。
また、紙はある程度の摩擦があったほうが書きやすいので、柔らかい下敷きを敷くと書きやすいです。紙を数枚重ねてもいいでしょう。
ペン字なら道具も少なくて済みますし、軽い気持ちで練習してみてください。