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課題は気楽に送ってね
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先月16日のメルマガで「卒業証書の筆耕の話」というテーマを書きました。その中の内容で、証書の汚れや扱いについて書いたのですが、今回はそのことについての補足です。
読んでいない方はバックナンバーからどうぞ
https://shodo1.jp/backnumber/b2024/2411.html
筆耕の作品は商品になるので、汚れは絶対にダメ!取り扱いは丁寧に!というのは当然ですね。でも、それはあくまで筆耕の本番の場合です。
練習や課題ではそこまで神経質になる必要はありません。少しくらい汚れても気にしないで提出してください。特に、新しいスケール定規は青いインクが用紙について汚れます。そのことも僕はわかっているので、気にしないでください。
ただ、本番は気をつけましょう。本用紙に直接レイアウトするのはあくまで練習の時だけ、筆耕の仕事本番ではライトテーブルを使用して、汚れ対策は万全にして臨みましょう。
色々とシミュレーションしておくと、いざという時に慌てずに済みます。対策しすぎる!ということはないのです。
おわり
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結びのあるひらがなを
綺麗に書くテクニック
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皆さんは「ひらがな」が得意ですか?
漢字とカタカナは同じ書き方「とめ・はね・はらい」で書くことができますが、ひらがなはそうはいきません。ひらがなは全く別の書き方になります。
そんなひらがなでも、特に難しいのが「結び」のあるひらがなではないでしょうか?
結びのあるひらがなは【は】【よ】【ぬ】【な】【ま】【ほ】【ね】などですね。グルッと回す必要がある文字です。
グルッと回すということでは、「す・む・よ・る・あ・の・め・お」も同じテクニックが必要になります。
グルッと回す時、ただグルッと回すと穂先がねじれませんか?ねじれてしまうと太さのコントロールが効かず、線質も安定しません。
そんな難しいグルッと回すテクニックを動画にまとめました。お時間のあるときにご覧ください。
今回のような細かいテクニックは再生リスト「賞状筆耕プロコース【番外編】」でまとめているので、他の動画も参考になるかと思います。
これからも一般ウケしない、マニアックな技術動画を増やしてくので、ご期待下さい。
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練習量のお話
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早いもので、もうすぐ令和6年が終わります。皆さんにとって令和6年はどのような年でしたか?また、来年の令和7年はどのような年にしたいですか?
今回は、よく質問をいただく「練習量」について書きたいと思います。
練習量に対しての答えは難しいです。これは個人差が大きいからです。また、プロを目指しているのか?趣味の範疇なのか?でも変わってきます。
なので、あくまで僕自身の経験談、友人筆耕士から聞いた練習量だとお考えください。
まず、上手になるための必要な練習量ですが「たくさん書く」事です。そんな事は当たり前なのですが、これができそうで難しい。
時々「私には才能がない」と諦める人がいるのですが、僕が「どのくらい練習したの?」と尋ねると、賞状10枚くらいだったりします。
10枚はたくさんではないので才能はわかりません。
また、100枚書いたとして、1年で100枚なのか、1ヶ月で100枚なのか、これも変わってきます。
とにかく書いて書いて書きまくって、300枚くらい書いてもダメなら諦めましょう。
ちなみに、僕が1年間で依頼される全文賞状の数は350枚前後です。ということは、1日1枚弱のペースということになります。※卒業証書のような名入れは1年で6千枚くらい。
僕は本業が筆耕士なので強制的にたくさん書いています。さすがにそこまで書けとは言いませんが、少し頭に入れておいてください。
では、どのくらい練習したら良いのか?
僕の感覚ですが、できるだけ練習と練習の間を空けない方がいいと思います。理想は毎日。週末にまとめて練習するよりも、短時間でもいいので毎日練習した方が効果的です。
毛筆での練習が理想ですが、毛筆が面倒なら筆ペンでもボールペンでも構わないので、1文字でも練習してみてください。毎日、やることが重要で、文字の練習というのが習慣化されたら勝ったも同然です。
最後に、実際に僕がどのくらい練習してきたのかご紹介します。
筆耕のプロになろうとハートに火がついてから、1日賞状全文一枚をノルマにしていました。とは言っても、実際は2日に一枚程度しか書いていなかったかな。
実はプロになってからの方がたくさん練習しています。見切り発車でプロになっちゃった事で、自分の技術に危機感が生まれたことが要因です。
まずい、まずい、まずい!とかなり必死で練習しています。
プロになって数年後に書写技能検定(書写検定)に挑戦したのですが、硬筆も毛筆も1級に受かるまで、毎日たくさん練習しています。賞状・古典臨書・座学・ペン字・・・。小学校のような時間割表を作って、地道に練習していました。
こうして振り返ると、すごく真面目な生活をしているように見えますが、実際は趣味なっていたので全く苦になりませんでした。
ゲーム・漫画・アニメ・映画・プラモデル・筋トレ・書道・・・僕にとっては同列です。ついでに筆耕も同列なので、筆耕の仕事も練習も遊び感覚です。
結論ですが、練習をすると上達します。技術の上達は自信が付きます。自分という人間の成長を感じることができるのです。
自分の成長を感じることができると心が満たされてきます。この心が満たされる感覚が楽しい!
練習というものは苦しいものと思われがちですが、決してそんなことはなく、自分自身の成長に直結すると思うと楽しみに変換できます。
ぜひ、練習が苦しいと感じるのなら、「楽しい」と言い聞かせながら実践してみてください。徐々に本当に楽しくなってきますよ!
書道は遊び!遊びこそ最高の成長の糧なのです。
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細字練習用紙への記名
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久々になってしまいましたが、新作動画を公開したので、よかったらご覧下さい。
・賞状筆耕プロコース+Plus 第3回解説動画(賞状の部・細字の部)
https://youtu.be/zkVh-eWpHWM
賞状筆耕プロコース+の解説動画なのですが、中盤の細字の部では「市・姉・紙・黄・黒・公・教・形・原・記」を解説しています。
これは入門編の方も参考になると思うので、お気軽にご覧ください。
また、後半では「細字練習用紙への記名」について解説しています。
細字練習用紙の左側には、揮毫日・受講生番号・氏名・住所を書く欄があります。
添削を受けた経験がある方はわかると思いますが、記名欄は毛筆で書くことを推奨しています。理由は単純に練習になるからです。
実は僕はこの記名もとても重要視しています。同様に返信用封筒もじっくり見させていただいています。何となくですが、人柄が見えてくるんですよね。
動画ではそんな記名欄の配置について解説しています。
あまり神経質になる必要はありませんが、全ては自分の実力向上に繋がると思い、できるだけベストを尽くしていきましょう。
さあ、もうすぐ令和6年も終わります。令和7年は皆さんの目標が達成できるようにお祈りしています。
僕も目標が達成できるように頑張るぞ!